このセリフを使え!SS掲示板
[最新表示] [検索] [セリフ登録] [リカバリ] [説明など] [連絡用掲示板] [こぼ落ち] [がちゃS掲示板]

このセリフを使え!SS掲示板は参加無制限のSS投稿掲示板です。お気楽に投稿下さい。
名前のとおり、本文中にキーワードを含ませないと投稿できない仕組みになっています。
セリフといいながら含むのは地の文でもかまわないわけですが、その辺のつっこみはなしの方向で。

訪問者数:22810(since:06-07-29)

おなまえ
Eメール
題  名 ※未入力は『無題』となります。
このセリフを使え! key1:
key2:
key3:     リロード
入力欄
URL
編集キー (自分の記事を編集時に使用。英数字で12文字以内)
文字色
記事番号:へ  
 萌:5  笑:2  感:2
騎士と狸と歌留多
( ロリポップ 物思い いいかい )
  No.101
   作者:気分屋  投稿日:2012/12/05 05:54:01   [メール]



「顔を見れば解ります」
「ほ、ほう?」

なんだそれは?
普段は心のなかでそう吐き捨てて適当に流すような戯言。

だけど今の状況で、それを行うにはあまりにも強がりという言葉がお似合いな程私は…

「令さま、これが、ハートのAですね?」

ババ抜きでボコボコにされていた。

「そう思うならとってみ…」
「ええ、そうさせて頂きます」

私の言葉を聞かず、彼女は私の手札から一枚を引いた。

「ほら、やっぱり」

見せつけられたそのカードはハートのA。

「だー!もうやめよう祐巳ちゃん!こんなの偶然だよ偶然!」
「ならお次は何にします?」

ぐぬ、強がってしまったが、正直何をやっても勝てる気はしない。

そもそも何故こんな状況になったかというと、1時間ほど時を遡らなければいけない。

薔薇の館で一人、本を読んでいた私のもとにやってきたのが彼女福沢祐巳だった。

部屋に入るなり、どうしたんですか?!と食い気味に聞かれた時は驚いた。
誰かに何かされたんですか?と言う彼女に私は呆然としていた。
が、ふと、もしかしてと、彼女に本の中身を読ませた。

そこには少女が恋人と別れ離れになる描写が描かれていた。
ああ、まさにこんな感じの顔してました。と一人で納得していた彼女に対し私はいささか納得のいかないものを胸に感じていた。

彼女は謂わばあれだ、百面相で、感情が表情に出やすい。
つまりわかりやすい人間なのだ。
まあそれが長所でもあるのだろうが…

それに比べ私は無表情ではないと思うが、表情が読まれやすいなどと言われたことがない。

そんな私がわかりやすい彼女相手に遠まわしにわかりやすいと言われたと感じたのが微妙にモヤモヤしたものを生んだのだ。

それに気がついた時の私の顔を見て、彼女はバレちゃいましたかと言ったのだ。
それを言われた時の敗北感をなんと言ったらいいのか…

ただ、私も剣道をやってる身、やはり多少負けず嫌いなのだ。
そして私はカバンから暇つぶしの道具を取り出したのだった。

そして今に至る。

「ふふふ、もう一度ポーカーでもしますか?」
「ポーカーはもうやだ。あれは運だし」
「じゃあ今日の令さまは大殺界なんですかね?」

ほほう、言いよるわ小悪魔め…というか……ポーカーか…
そういえば…

「インディアン・ポーカーって知ってる?」
「ちょっと存じ上げないですけど、どうせ勝つ勝負です。まあルールを説明していただければ…」
「えっとね、取り敢えず山札を起きます」

なるほど、と彼女は山札に視線を落とす。

「一枚めくります」

ほう、と彼女は一枚めくった私のカードを見る。

「で、これを相手に見せるようにおでこに、こぅ、ピタっと、でお互い指摘しあって…ああ、この時嘘とかついてもオーケーだから。で、相手より低いと感じた時このカードを捨ててまた新しいカード取るの」
「あ、あー…なるほど」
「んー、初めてやるし相手が思わず教えちゃったらまた捨てて新しいカード取ることにしよう。ほら試しに言ってみて?」
「え、っと…その…」

あれ?なんだか目が泳いでるみたいだけど…

「わかってる?ほら、祐巳ちゃんこれカードなんて書いてる?」
「えっと、これはやめましょう」
「え?どうして?他にトランプ二人で出来るのあんまりないんじゃない?」
「…あはは」

おかしい、何故だ?
先程から彼女は私の顔はおろかカードにすら目をやらない。
もしかして……て、照れてる?

「そうだ!神経衰弱やりましょう!」
「い!や!だ!絶っ対インディアン・ポーカーやる!今まではそっちが選んできたじゃない!」

ここだ!ここでしか私の勝つ目はない!

「でも、これは…」
「ははーん?負けるのが怖いんだね?」
「む、いいでしょう!参られい!」

そう言って彼女は山札からカードを一枚めくり勢い良くおでこにひっつけた。

扱いやすい…
負けず嫌いはお互い様みたいだね…

クローバーの11か…

…………

………


「で、私のカードの数字はどうなの??」
「……高くは…ないんじゃないですかね…」
「そうなの?カード見てないんじゃない?ほらほら、令さんのカードはこちらですよー?」

ふふふ、これは行ける!
勝つか負けるかは運になるがこれはなんか楽しい!

「あれれー?祐巳ちゃんのそのカード数字低いよー?変えようよー?」
「大丈夫です…このままでいいんです…私は木…私は貝…私は雲…」

ぎゅっと目を瞑って何かを唱えているが…私のカードに付いて何かしらのリアクションがないとゲームにならない…

「あのー、目つぶらないで開けてもらえる?」
「そ、それはルールですか?」
「じゃあルールにしよう。今からね。取り敢えず祐巳ちゃんはずっと目をつぶるのは無しで」
「ぐ!致し方なし…です」

苦渋の選択のようだ…まあ目はそらしっぱなしだし…顔を相変わらず横を向いたままだけど…
取り敢えず楽しいし、顔の頬の染まった彼女を見ているのは非常に楽しい。
というか可愛い、なんだか、こう、いじめてしまいたくなる。

「そんなに目を逸らしたらカードが見えないよ?」

顔を横に向けた祐巳ちゃんの目の前に私はあえて顔をだすことにした。

「な、なんです…か…」
「やっぱりカード高いか低いかどっちか言ってもらわないとこちらとしても想像出来ないんだよね。ほらこれどうなの?」

効き目があるのかどうかは分からないが取り敢えず上目使いで聞いてみる。

「お、おおおおおおおお似合いの数字です!」

本当に見てるのかなこれ…

取り敢えず、これは仕方ない。

「ほら、目を閉じとくから。照れてるんでしょ?今のうちに番号見て」

目を閉じる。

「見た?」
「あの…少し…目を閉じて待って下さい」

やけに時間がかかるな…

「そういえば令さま…」
「ん?」
「私の事どう思っていますか?」
「どう…とは?」
「この際はっきり言っておきますけど」

彼女が動いた気配のあと頬にぷちゅっと不自然な感触が…
びっくりして目を開けるとそこにはおでこの位置にあったカード下ろして、逆の手で口元を隠し、先ほどから輪を掛けて赤い頬の祐巳ちゃんがこっちの顔を見ていた。

「て、え…?」
「好きです」
「ええええええええええええ!」
「世界で一番好きです」
「ちょ、ちょっと待って」
「どういうこと?ですか?」
「そう、それ!」

ふーっと彼女は一呼吸をおいて話し始めた。

「私は誰の表情でも読めるわけではありません。というか令さま以外読めません」
「あ、ああ。そうなの?」

てっきり気が付かないうちに祐巳ちゃん2号にでもなったのかと…

「最初は別に気になりませんでした。でも、ま、まあちょっと、令さまが笑うことが不思議と一番落ち着くというか、困った顔をしてる時も、なんだか可愛いなと思ったりするとか…」

なんだこれは。
聞いてて凄い恥ずかしいぞ。

「えっとつまり、その気がついてたら好きになってて…近くにいる時はいつも見てました」

こっちも顔に血が集まっていくのを感じる。

「そ、それでちょっとした表情の変化に気がつくようになったと…」
「はい」
「はは、こう、面と向かって言われると恥ずかしいね」

でも悪い気はしない。

「告白っていうのに慣れてないからちょっと今の感情わかんないや…」

でも返事はなんとなく決まってる。

「…あれ?」
「どうしたの?」
「いえ、初めてみる表情だったので…」
「ああ、それはきっと…」

……まあいいや!

「じゃあ目を閉じて!」
「え、あ、はい」

が、しかし、なんとしたものか…
未知の食材を相手にメニューを考案しているシェフのような心地だ…

ここからやることは雰囲気上アレしかない。
しかし…ええい、なさけない!女も男も人間なら度胸だ!
さっきされたのが右頬なら汝左頬を差し出せ!

しかし心情とは裏腹に行動はやっぱりゆっくりだった。
恥ずかしいし。
勢い良くやってヘッドバッドなんてした日には私は不登校になりかねない。

そっと左頬、体温が感じる距離私はキスをした。

「口でも大丈夫でしたよ?」
「祐巳ちゃんが大丈夫でも、私が恥ずかしいんだよ、もう」
「まあ、その照れますね…」
「試してみる?」

私はそう言っておでこに、持っていたカードをひっつけた。

「す、少し恥ずかしいけど見れます…」
「ほほう?じゃこれはどんな数字かな?」
「えっと、やっぱり私にとってお似合いの数字です…」

そのタイミングで何故照れる…
ん…?そういばこれまでの会話で彼女は何度か数字を言っていたが、まさか…

「私このカード変える!」
「え?!ダメです!」
「ダメってなんで?!」
「人に左右されるのはどうかと思います!」
「いや、大なり小なりそーゆーゲームだから!」

この慌てっぷり、自意識過剰じゃなかったらおそらく!

「やっぱり…」
「…う、ははは」

そこにはハートのAと書かれたカードがあった。

なんとなく、気まずくなった雰囲気をごまかすように私はカードをめくった。
きっと今の私の顔は真っ赤だろう…

「…ちょっと前までからかう側だったのに、全く、気が付けば当事者だよ、これじゃ顔を真正面から見るとちょっと照れちゃうかも…」
「…試しにやってみます?」

そういって彼女は再びクローバー11をおでこにくっつけた。
はずだった。

あれ?

「それ入れ替えてるでしょ!なんでクローバーの13になってるの?!」
「え?見間違えただけじゃないですか?どちらも絵柄ですし」
「そ、そんな〜…」
「というかなんで教えちゃうんですか」
「あ」

しまった、数字いっちゃったら意味ないや。

「取り敢えずこれ一旦捨ててカードめくりますね?」
「う、うん」

物思いに耽っている暇は無さそうだ、なんとなく納得行かないが…

「じゃあ、これはどんな数字ですか?」

彼女のプリティなおでこには悪魔がいた。別名JOKER。

「かかか、変えたほうがいいよ!祐巳ちゃん!」
「JOKERとか…ですか?もしかして」
「はは、そ、そんなこと…ん?」

ちょっとまて、彼女はポーカーの時は役の高いか低いかで選択肢を絞り込んでいた。
一発目から当てるということはなかったはず…

「まーさーかー!」
「私が聞いたルールには山札の順を変えてはいけないとは書いていなかったので…」
「ずるい!」
「ずるくないです」
「ルール説明しなくてもアームレスリングで両腕使う人なんていないでしょ!」
「私は両腕派です」
「この小悪魔!」
「今の状況では褒め言葉です」

むきーーーー!

「じゃあルール変更!」
「却下です」
「却下とかあるの?!」
「勝負中にルール変更は認められません」
「くぅ!もっともらしいことを!」

うう、なんという仕打ち。
さっきまでの凄いプリティでロリポップな祐巳ちゃんは、今では妖しく小悪魔的な存在に…
まさか私が目を閉じてる隙にこんな手段に打って出ているとは、しかも前ババ抜きをした名残でJOKERは一枚、これは勝ち目がない勝負じゃないか…

「あーもう、負けたよ。今日は全敗だー!顔が読めるなんてずるいー」
「あ、そうだそれで思い出しました。さっきの表情はなんですか?!」
「へ?」
「私見たことありませんよあんな顔!私の知らない顔なんてあってはダメなんです!」

な、なんという独占欲…

「えっと、その顔は嫉妬してる顔だね」
「悔しいですが、そのとおりです。取り敢えず早くあの時考えてたこと教えてください」
「えっとまあ……はは、気にしなくていいよ、おいおいわかっていくと思うし」
「教えてくれてもいいじゃないですかー」
「まあまあ、そういえばまだお互いのカード開示してはいないよね」
「はあ、まあそうですけど」
「それJOKERだよ。あ、ごめん。ついいっちゃった」
「はい?そりゃそうですよ。そうしたんですから」

まだ気がついていないのか、心底ぽかんとした顔をしている。

「相手がつい言ってしまった場合はカードを捨てて新しいカードをめくらなければいけないって言ったよね?」
「あ」
「そーゆーことなんで、ばいばーい」

私は祐巳ちゃんのおでこからJOKERをひっぺがし山札のとなりに置いた。

「横暴です!」
「横暴ではありません」
「ひ、卑怯です!」
「ルールですし」
「ルールなら何してもいいんですか!こんな可愛い後輩をいじめてもいいんですか?!」
「いいかい?可愛い後輩だから、好きだからいじめたくなる。この気持ちわかってほしいなー」
「…っ!甘えてもダメです!」

といいつつ素直に山札から彼女は一枚めくり額にひっつけた。

「というかまたその表情…また何か変なもの引いちゃったんですか?!なんとなく嬉しそうなその表情はなんですか?!」


―――きっとこの顔は祐巳ちゃんにしか出来ない顔だよ。それにきっとすぐにこの顔しちゃうと思うよ。












「まあまあ、それより結局私の数字はどうなの?」

どうせ仕組まれた勝負だったもののふと気になった。

「お、お似合いです…」

…それはまたまた…奇遇なことで……
ん?もしかして祐巳ちゃんが探して置いててくれたのかな…

「…じゃあ私の数字もどうですか、この数字低いですか…?」
「私も、それぐらい好きだよ祐巳ちゃん」





――――ほら、ね?





「な、なんですかそれ、答えじゃないですよー…というかだからその表情はなんですかー!」










――了――
名前  コメント  削除パス  文字色
- 簡易投票 -

  
  

 萌:0  笑:0  感:1
指先を絡めては解いてゆく愚かさに。
( 墜ちてく宿命 あの日の空 引き裂かれた )
  No.100
   作者:繰る名  投稿日:2009/10/07 22:55:26
あの人は華麗に笑ってみせた。
風を取り巻き、葉さえも虜にするような、妖艶たる微笑みで。
「墜ちてく宿命だと?…寝言は寝てから言えっての。」
「くっ…!」
下郎を一蹴りした後、「あーあ。靴が汚れた。」等と言っている。
余裕の笑みのようだった。
「なんで…」
俺は何故、彼が此処に居るのかを訊く。彼はこちらに目を遣った後、ため息をついて振り向いた。
「なんで、あんたがここにいるんだ。」
風がまた吹いていた。彼の少し長い髪が揺れて、美しくたなびく。
「…あの日の空が。」
「…?」
「お前の肩越しに見た空が、…妙に綺麗だっただけだ。」
「…は?」
「ま、そーゆーコトで。」

一瞬。

…一瞬だけ、彼は憂いの表情を見せた。
哀しさのように鈍く光る瞳が、そう見えさせたのかもしれないけれど…。

彼は気だるそう(いつもだが)に、欠伸をして、踵をかえす。
危うく、その場の雰囲気に流されそうになった。そういえば、理由が理由になっていない。訊きたいことは他にもたくさんあったのに…。
「あ…おいっ!答えろよ。おいってば!」
彼はもうあんな場所にいる。歩く速度が速すぎて遠くにいるせいか、俺の声は届いていないようだった。
「待て!俺も行く!」
俺は彼を追いかけた。真っすぐな道を、走って、走って。
置いていかれないように、走って。



俺はこの時はまだ、気づいていなかったんだ。俺が、あの呑気で無気力なあの人のせいで、世界規模の事情に巻き込まれるなんて…。


引き裂かれた運命は再び紡がれる。
消えない血を染み込ませた、赤い運命の糸が、俺とあの人を縛り付ける。
最後に待っているのが、希望とは限らないけれど。
歩み始めた道は戻れないし、動き始めた歯車は止めることができない。

このころの俺は、そんな深いことを考えていたわけではなかったけれど、もしかしたら、このときにはもう既に分かっていたのかもしれない。


…もう、道は引き返せないのだと。




名前  コメント  削除パス  文字色
- 簡易投票 -

  
  

 萌:0  笑:0  感:1
無題
( 冷めたい 守りたい )
  No.90
   作者:イチジョウ アキト  投稿日:2008/01/12 16:22:22
 冷めたい頬に
 何度呼んでも
 もう戻らない
 
 守りたいのに
 傍にいたいのに
 愛したいのに
 
 願いが叶うのなら
 もう一度
 もう一度だけ
 僕の名前を呼んで

 置いていかないで
 消えないで
 ずっと一緒にいて
 
 焔が憎い
 僕からあの人を奪う
 燃やさないで
 無くさないで
 
 青い空に灰色が浮かぶ
 あの人はどこへゆくの
 僕は独り
 あの人のいない日に 戻る
名前  コメント  削除パス  文字色
- 簡易投票 -

  
  

 萌:0  笑:0  感:1
あの日の手紙
( 草加煎餅 忘れられるね 足りないものを数えたら )
  No.87
   作者:イチジョウアキト  投稿日:2007/07/29 13:58:13
 「こんにちは、ここ数ヶ月で、服がボロボロになってしまったよ。
  そんなにも、この地を駆け巡ったのだとおもいます。
  僕は、帰れないかもしれない。
  そんな時は、帰らなかったら、僕を忘れて。
  君なら、忘れられるね?
  さよなら。
  もう、手紙を書くことなんて、無いと思う。」

 戸棚に仕舞ってある草加煎餅を探してたら、昔の手紙が出てきた。
 戦争に行ってしまった、愛しい人からの、最後の手紙。
 忘れていた物を、呼び起こさせた。
 
 「ねぇ、足りないものを数えたら、こんな物出てきたんだけど。」
 彼のそばに行って見てみると、私の作った刺し子を見せた。
 「私が、作ったの。」
 昔から、不器用だったけれど、作った。
 どうせ、要らない、とか、下手だって言われるだろうな。
 「ありがと。カンナ。」
 笑顔で言われたとき、私は本音を出してしまいそうだった。
 『本当は、そばに居てほしい。死にに行かないでほしい。』
 そう、言ってしまうかと思った。

 「行って来ます。」
 そういって、敬礼された。
 戦争なんか、嫌い。
 あの人を奪う戦争なんて…。
 その事を表向きには、言えない。
 
 何通か、手紙が来た。
 「元気にしている。」とか「心配ない。」なんて。
 こちらから、それを送ることは出来なかった。
 異国に行っている彼には、届かないから。
 会いたい、空が飛べるなら、会いに行きたい。

 醜い戦争が終わり、ついに彼は、箱の中にさえ居なかった。
 帰ってきたのは、帽子や、軍服。
 泣きたかった。
 でも泣けなかった。
 これは、嘘だと、思いたかったから。

 生き返りが、本当にあるのなら、彼はどこかに居るんだろう。
 いつか、会えるといい。
 私も、この体は、長くないのだろう。
 戦争が終わってから、もう、随分と時が経った。
 きっと、またいつか、会うだろう。
 私達は、絆で結ばれていたのだから。 

イチジョウアキト > お久しぶりです。ホントは前も書いてたんですが、赤いバッテン (No.136 2007/07/29 14:02:25)
イチジョウアキト > を押してしまい、白紙となり、書き直したものです。(すみません、コメント千切れちゃった。) (No.137 2007/07/29 14:04:43)
名前  コメント  削除パス  文字色
- 簡易投票 -

  
  

 萌:0  笑:0  感:1
閉じた眼に
( 信じることを忘れないで 足手纏いになってはいけない )
  No.82
   作者:イチジョウ アキト  投稿日:2007/02/18 14:14:43
 香奈、僕を、忘れないで。
 信じることを忘れないで。僕のようにならない為に。
 忘れないで、いつも、僕は君の傍にいる。

 リリアン女学園に「水無月 香奈」という生徒がいた。
 彼女は幼馴染、「宗像 総司」に恋心を抱いていた。
 もちろん、総司も香奈の事がすきだった。
 総司は親の意向で花寺高校に入学させられたが、苦ではなかった。
 
 リリアンと少しでも繋がりがあったから。
 香奈と繋がりがあったから。

 いつも交わす挨拶。
 「おはよう」
 日常生活では普通に挨拶を交わした。
 学校に着くと、それぞれの生活。
 彼らには、少し生き辛かった。

 総司は香奈より一つ上。
 今年、三年になった総司は、親に大学に進むように言われた。

 「私、待ってるから、だから…。」
 その先が、言えなかった。
 香奈は総司自身が大学行きを決めたのだと思ったから。
 「足手纏いになってはいけない。」
 彼女はそう自分に言い聞かせていたが、何故だか胸が痛んだ。
 
 「どうして、何も言ってくれないんだ。」
 総司は香奈の事を疑い始めてしまった。
 「香奈、僕のこと、嫌いになったんなら、言って?」
 香奈は戸惑った。
 「なんで?」
 香奈は何も言わなかった自分に後悔した。

 「総司、お前は、好きにするといい。」
 総司には、弟がいた。
 人形みたいな、父親の言うことを良く聞く、操り人形。
 その頃と、香奈が何も言わなくなったのが同時期だったからか、
 総司には、自分が捨てられているような感覚があったのだろう。
 
 数日後、彼は、いなくなってしまった。
 一枚の紙を残して。
 黄色と黒の境を越えて、彼は、赤茶色の電車に轢かれた。

 「疑って、すまなかった。
  僕も、何も言わなかったのにね。
  勝手だけど、迷惑かもしれないけど、
  聞いて。
  香奈、僕の事、忘れないで。
  信じることを忘れないで。僕のようにならない為に。
  忘れないで、いつも、僕は傍にいる。」

 「ごめんね。」
 香奈は白い木の箱に向って言った。
 
 「ごめんね。」
 香奈は帰る途中、風の中で、総司の声を聞いた気がした。
名前  コメント  削除パス  文字色
- 簡易投票 -

  
  

 萌:1  笑:1  感:0
おしおき?
( なんかうかない顔してたよォ す〜っごくくやしかったんだよ〜 ネコも大好きよ。そう…ネコもね )
  No.78
   作者:時山モナカ  投稿日:2006/12/10 20:22:54
蓉子さまたちの選挙のとき 主人公は…あれ?

「令さ〜ん。」
「どうかしたの?晴菜さん。」
 令が教室移動をしようとしているときにテニス部の楠本晴菜(くすもと はるな)が話しかけてきた。
「どうしたっていうか…。少し前黄薔薇の蕾が令さんがいないかって聞きに来てたからそれを伝えようとね。」
「お姉さまがねぇ。最近特にたいした用事があるわけでもないのにちょくちょく呼び出されるからちょっと困ってるのよね。」
「選挙の手伝いとかじゃなくて?」
「そんなのとっくに終わってるからとか言って、一昨日なんかお菓子の作り方を教えてなんて言いだすし。何がしたいのかわかんないのよね。」
「お姉さまへの卒業プレゼントなのかな。」
「違うみたい。お姉さまにあげるんですかって聞いたけど、なんかはぐらかされちゃって。」
「そうなの。っていうより急がないと遅れるよ。」
「やばっ。そうだった。」
 後5分。走ったら余裕だけどシスターに怒られるのは避けたいから急ぎたいところだ。
「話はまた後でね。」
 まだ続くのかと思うと令はうんざりした。

 授業が終わって教室に帰るときにまた晴菜さんに話しかけられた。
「掃除が終わったら薔薇の館に行くの?」
「行くよ。お姉さまは普通はやさしいのに変なところで厳しいから行かないと何されるか…」
「そういえば一月前呼び出されて行かなかったことあったわね。」
「思い出さないでよ。」
「そのときなんかうかない顔してたよォ。どんなことされたの〜?おしえなさいよ〜。」
 晴菜さんはこんなときが一番怖い。ここは逃げたほうがいい。令はそう思ってはなしをかえることにした。
「晴菜さん、掃除に行かなくていいの?」
「忘れてるの?私も令さんも教室掃除でしょ。」
 そうだった。今日から掃除区域が変わることを令はすっかり忘れていた。
「逃げようとしたってだめよ〜。きっちり話してもらわないとね。」
「部活には早く行かなくていいの?」
「あ。今日は部活があるんだった。」
「じゃあね〜。」
 令は笑顔で送り出した。
「くっ。覚えてなさいよ〜。」
 何か違う人の吐くセリフのようだった。

「そのときはす〜っごくくやしかったんだよ〜。」
「お姉さま。その話はもう何度も聞かされましたが。」
「私にとっては話したりないくらいよ。」
 一年後。テニス部の部室には晴菜ともう一人少女が座っていた。
「第一、次の日に聞いたんでしょうが。」
「桂。それはお姉さまに言うセリフなのかな?」
「…すみません。」
「分かればいいのよ。」
「はい。でもなんでその罰がランチの散歩なんでしょうかね?」
「気まぐれなんじゃない?別のときは熱い紅茶の一気飲みとか言われたらしいけど。」
「うわぁ…。それはちょっと。」
「令さんができないって言ったら、それは無理よねって笑って許してくれたみたいだけど。」
「そうですか。あ、ランチだ。」
「かわいいわね。」
「お姉さま、ネコ好きなんですか?ちょっとそんな感じには見えないんですけど」
「ネコも大好きよ。そう…ネコもね。」
「う…。ごめんなさい。」
「なんであやまるのかしらね〜?」
 これはこれで平和な一日なのです。


 紅薔薇は? ……ごめんなさい桂さんや令ちゃんが書きやすかったんです。桂さんのお姉さまのハイテンションも書きやすさに負けてそうしたんですから。桂さんのお姉さまの名前まで出しちゃいましたね。もう気にしませんとも!(ぇ
 もう何でも書いてやるんだからかかってきなさいな。
名前  コメント  削除パス  文字色
- 簡易投票 -

  
  

 萌:0  笑:0  感:0
5文字の告白
( 染み付いて 秘密 舞う蝶 )
  No.75
   作者:イチジョウ アキト  投稿日:2006/12/10 12:57:46
 君の声が
 耳に染み付いて 離れない

 5文字の告白を秘密にして
 もう こんな時期になるんだね

 あの熱い日に
 舞う蝶が 羽で君を隠さないうちに
 言ってしまえば 楽だったのに

 ねぇ こんなに外は 寒くなったけれど
 ねぇ すこし離れているけれど

 秘密にしてた 5文字の告白
 君に伝えたい いいかな?

 「アイシテル」
名前  コメント  削除パス  文字色
- 簡易投票 -

  
  

 萌:0  笑:0  感:1
あなたの居る日々、居ない日々
( この光景は、以前どこかで見たような 朝やけをみつめてるあなたを 桂というのは名前であって苗字ではない )
  No.73
   作者:時山モナカ  投稿日:2006/12/05 22:28:58
白薔薇が静、志摩子、乃梨子というifです。時間的には『イン ライブラリー』の後くらいです。

 今日の薔薇の館は白薔薇姉妹がいるだけだった。私たち3人は黙々と仕事をしていたが、誰かが階段を上ってくる音がしたので、
「誰か来たみたいね。乃梨子、出てくれる?」
「いいですよ。」
と乃梨子ちゃんが扉を開けると私が知らない人が立っていた。
「桂さん?」
「えっと…由乃さんに呼ばれてここに来たんだけど、いないからまた後で来ます。」
「まあ良いじゃない、ここでちょっと待ってなさいよ。乃梨子ちゃんお茶入れてきて。」
「分かりました。」
「いや、ここで待つのは皆さんの仕事の邪魔に…」
「仕事ったって最近はたいしたものもないから後回しにしたっていいのよ。」
 とりあえず桂という人を席につかせた。しばらく待って乃梨子ちゃんのお茶ができたので、少し話を聞いてみることにした。
「桂さんっていったわね?」
「ど…どうされたんですか。」
「そんな怖がらなくてもいいの。由乃ちゃんに呼ばれたっていうけど、どんな用事なの?」
「いや、昼休みに突然放課後に薔薇の館に来てって言われたんで来たんですけど。その由乃さんはどこに行ってるんですか?」
「ちょっと前まで居たんだけど、文芸部の方にちょっとした資料をもらいに行ってるから、帰ってくるまでもうすこしかかるわね。」
「そうですか。」
「ちょっと思ったんだけどあなた桂さんって言ったけど苗字で呼ばれてるのかしら?」
「あ、それは私も気になりました」
「お姉さま、乃梨子、桂というのは名前であって苗字ではないですから。」
「ごめんごめん。思っただけだから。」
「間違えやすいとは言われます。苗字は三枝(みつえだ)です。一年生のとき先生が最初の挨拶のとき『さんしかつらさん?』とか言って以来、一時期あだ名が『さんしさん』になったくらいですから。一部の人は『師匠』とか呼んでましたけど。」
 私と乃梨子は弾けるかのように笑った。
 この光景は、以前どこかで見たような気がした。
 そうだった。この前志摩子のお父様が文化祭に来たとき変な格好で来たから、志摩子が注意してたときだったかしら。
「お姉さまも乃梨子も笑うのは止めてください。」
 うん。あの時もこんなことを言ってたんだったね。私たちが笑い終えるころには由乃ちゃんたちもやってきて、二年生だけで話し合いたいと言われたのでそれに応じて私たちは帰ることにした。
「面白かったわね。桂ちゃんの話。」
「ええ。とっても。」
「え。何かあったの?」
 令が聞いてきたので、桂ちゃんの話を聞かせてあげたら私たちとは比にならないくらい大きな声で笑ってくれた。うんこんな日もたまにはあって良い。ここに聖様がいたら私はもっと幸せだろうに、あなたはここには居ない。

 翌朝、起きるときれいな朝焼けが空を包んでいた。昨日もこんな日だったな。そう昨日のことを思い出すと、自然と笑みがこぼれる。あの人はもう起きているだろうか。この空を見ているだろうか。
 朝やけをみつめてるあなたを思い浮かべる私。あなたが居ない日々を過ごしている私。
 でもそんなに遠くに居るわけでもない。あなたが居ないからといって、志摩子や乃梨子ちゃんが嫌いなわけじゃない、むしろ一緒に居てたのしいくらいだ。そう、あなたは私の全てではないとはっきり分かった。
 でもあなたがいれば私はもっと楽しくなれる。
 そうだ、今日は薔薇の館に寄らずに大学のほうに行ってみよう。そしてこんなことがあったと話してみよう。そうすればもっと楽しい日々が手に入るはずだ。
「静〜、ごはん出来たわよ〜。」
「今行く〜。」
 今日が始まるのだ。明日とはまた違う新しい日が。

 制作4時間の作品でした。ほのぼのって言ったのにシリアスなのかギャグなのかよく分からない感じに。桂さんの苗字が出てきてるけど、これはこれとして(いじられキャラの立場は変わらず)。師匠って言っちゃってるから元ネタは誰だって分かるよね。というより乃梨子しゃべってないね。うん。簡単な言葉で数回のみ。静に集中しすぎたかな。もっと修行せねば。
 次は紅薔薇?もしかしたらストパニ書くかも。難しくなるけど。つか難しいほうがやる気出るし(明日できるかなw)。そん時は天音X光莉(カプはノーマルのみ)もしくはル・リムのギャグ(ル・リム(+真箏)なんてギャグ以外かけない人w)で〜。
名前  コメント  削除パス  文字色
- 簡易投票 -

  
  

 萌:0  笑:5  感:0
由乃、きもいよ由乃(ぇ
( この世に悪がある限り その後のことはぜんぜん ロザァァァァリオゥゥゥゥッ )
  No.72
   作者:時山モナカ  投稿日:2006/12/05 00:14:26
 妹オーディションの前の設定です。(祥X令設定?)

 令は今日も薔薇の館に向かっていた。しかし、何か生徒たちの令を見る目がおかしい。
「なんか付いてるのかな」
 そう思っていると由乃の声が聞こえてきた。
「ロザァァァァリオゥゥゥゥッ。ロザリオはいらんか〜。」
 由乃が自分のロザリオを他人に押し付けようとしているのが見て取れた。急に令の体から力が抜け落ちた。令は由乃に向かって言った。
「由乃〜!なにやってんのあんたは。」
「え。妹作ろうとしてるんだよ。」
「妹って…。押し付けてどうすんのよ。妹になった人のこととか考えてるの?」
「ん〜。その後のことはぜんぜん考えてない。もらってくれる人が居れば良いかなって。」
「だからもらう人の立場になって考えて見なさいよ。」
「ロザリオはもらったらうれしいものじゃないの?」
「それはいろんなことを一緒に経験したらの話でしょ。」
「それじゃあ私たちは?私は高等部で令ちゃんと一緒には何も経験してないよ」
「だから…」
 といろいろ言い合っていると祐巳が通りかかった。令はいいところに来たと祐巳に話しかけた。
「祐巳ちゃん。今由乃が1年生にロザリオを押し付けようとしてたんだよ。」
「ちょっ、令ちゃ…」
「ここは祐巳ちゃんの意見を聞いたほうが良いと思って。」
 しかし祐巳は
「私は由乃さんに『こんな風にしたほうが早く妹ができるよ』って昨日言われたんですけど」
「昨日もしてたの?」
「はい。最低でも3日前から。」
 めまいが起きるような気がした。由乃は3日以上こんなことをしてきたのだ。私があんな目でみられるのもおかしくはないと令は思った。
「由乃、なんで妹を欲しがろうとしてるの。今年中なら私も待てるよ。」
「私にはとっても憎い敵が居るの。その敵を倒すためにはすぐにでも妹を作らなければいけないの。」
「意味が分からないんだけど。もう少し分かりやすく説明してくれない?」
「令ちゃんは分からなくて良いの。この世に悪がある限り私には妹が必要なの。」
「だからその悪って誰なのよ。」
「令ちゃんならそれくらいわかるでしょ。」
「分かんないから聞いてるんでしょ。いいから教えなさい。」
「分からず屋の令ちゃんには教えてあげないもん。」
「もういいよ祐巳ちゃんに聞くから。って…」
 令がさっきまで祐巳が居たところを見ると誰も居なかった。
「由乃。祐巳ちゃんはどこに行ったの」
「さっき祥子さまと一緒に薔薇の館に行ったよ。」
「え…」
 由乃に気を取られて祥子に気付かなかったというのか。令は愕然とした。今までなら祥子が来るときはすぐ気付いたのに。もう何も言える状態ではない。そして、少しして高らかに由乃の声が響いた。
「ロザァァァリオゥゥゥゥッ。ロザリオはいらんか〜。」

時山モナカ > 黄薔薇でギャグは書きやすいな 由乃のハイテンションに任せればいいし でもここの令おかしくない? でも次行くなら静でほのぼの系いきますw (No.93 2006/12/05 00:24:31)
名前  コメント  削除パス  文字色
- 簡易投票 -

  
  

 萌:0  笑:0  感:1
無題
( 空ばかり見ていた ざらつくアスファルトの上で染みになって )
  No.71
   作者:イチジョウ アキト  投稿日:2006/12/04 14:15:00  更新日:2006/12/10 12:39:01
 教室の隅の席
 空ばかり見ていた君
 その目に
 空の青を映してるのか
 何も見ていないのか
 
 気になるのは どうしてだろう

 雨が降ってきた
 空から降る雫が
 ざらつくアスファルトの上で染みになっても

 教室から目を逸らすのは
 ココが嫌いだから?

 

鬼哭 > 少しずつではありますが、言葉の使い方がお上手になっているのが、分かります。これからも、頑張ってくださいね。(評論家じみた事を言って、ごめんなさい。) (No.95 2006/12/07 09:24:40)
イチジョウ アキト > あわわ。鬼哭さんにコメントを戴けるとは!!もっと上手になるよう、精進いたします! (No.96 2006/12/10 12:37:44)
名前  コメント  削除パス  文字色
- 簡易投票 -

  
  


  

記事No/コメントNo  編集キー
  

- Keyword-SS-Board -